共有空間作り
シェアする・共有する
今では当たり前に耳にする言葉でありますが当院ではこの『シェアする・共有する』を大切にしています。共有することで、治療の進め方がスムーズになり治療計画を立てやすくなります。患者さんの事を知る・理解する・これから私がしようとしていることを知ってもらう…様々な要素があります。
例えば、施術とは何でしょうか?
治療家が不調を訴えている方へ一方的に身体が良くなるように仕向けることでしょうか!?『腰が痛いから腰に鍼をして欲しい!』と言ってベッドへうつ伏せになる方がいます。『ココが痛いんだ。ココに鍼をしてくれ!』と自分の腰を指さし鍼をするようにジェスチャーする方もいました。
『ココが痛い』までは共有はできます。
ただ、鍼をするのはこちらの専門的な領域であります。こちらとしては“なぜ、その場所が痛くなっているのか?”をお伝えする必要があるのです。原因を見極めて、それを伝えて始めて施術開始となります。
『今〇〇さんのお身体は△△が硬くなっており、腰を痛めています。ですから△△へ鍼をしていきます。よろしいいでしょうか?』
『はい。』
このようにして初めて当院の求めている共有空間が出来上がります。
医療を行う上でこの共有空間は大きなウエイトを占めます。マッサージ店や整体等競合店が増えた中、私達の医療と慰安施設が行うリラクゼーションの境界線が曖昧になったのも一要因かと思います。そこで、医療を行なう上での共有空間作りの違いをまとめました。
目的とする“コリ”が違う!
リラクゼーションであれば、『肩が凝っていますね』と言って検査を無くしてコリに手を当てるのがあるべき姿と思います。来てくれる人が『ココが辛いのです』と指刺すことがあります。その部分を的確に押し、解すことが求められていると思われます。
けど、私たちが施術となれば“そのコリはどこからきているのだろうか?”と原因を探るものと思います。痛み・凝りにフォーカスしてしまう目の前の方に対して、症状の解決には原因を取り除かないと解消できませんと伝える必要もあるのです。
境界線は“検査”である!
肩が凝ると思い専門院へ行ったものの“原因・要因”を伝えられずそのまま手を加えられ終わった経験がある方もいると思います。肩を主訴としたとき、前腕部の使いすぎ、首部胸部の緊張、腰椎や骨盤の歪み、下半身の過緊張など様々なパターンが考えられます。その中で“見立て・仮説”が無くて、たまたま施した手法がぴたりと決まり抱えていた悩みが解消したケースもあるかもしれません。私は、そのような“たまたま”と言った偶然性が高いものは納得がいきません。患者さんの不安と私の確信を擦り合わせるために“検査”があると思っています。
検査を行うと、ドコでどんなトラブルが起きているのかを明瞭化させることができます。
また、筋肉の動きやすさ・関節の硬さ・神経圧迫により痺れの有無などその一手から得られる情報はとても多くあります。検査の良い所はこれだけではなく、
before&afterを確かめることができるのです!と言うのも私たちにはこの方法でしか変化を示せないと思っています。痛みを始めとする身体のトラブルは、数値・画像では判断できません。主観的なものを客観視するには、before&afterにより“動きやすさ”をみることで共有することができます。