NEW開口時の左顎の痛みと関節音の改善例
症状

左顎の開口時に痛みがあり、まっすぐに口を開けることができない状態であった。痛みは数か月前から始まり、特に原因は思い当たらないとのこと。開口時には「グリッ」とした関節音が伴い、日常生活では大きく口を開ける動作が制限され、欠伸をした際に痛みが強くなることがあった。これまで医療機関での診断や治療は受けておらず、顎以外の体調的な違和感は訴えていなかった。また、陸上競技を行っており、シンスプリントを抱えていたが、顎の症状との関連性については不明であった。
-
来院者
女性
10 代
-
期間
2025年5月 ~ 2025年5月 -
頻度
1回通院 -
通院回数
1回
施術と経過
初診時の触診では、開口時の痛みと咬筋の緊張が確認された。施術では肩上部のコリを緩和するためのツボと、顎関節に関連する手足のツボに鍼をしたところ、開口がしやすくなったが痛みは残り、約3割の緩和が見られた。次に頸部の緊張を緩和する目的で仙骨や脛のツボに鍼をしたところ、痛みが半減し、5割程度の改善が確認された。その後、脛と肘のツボを追加した施術を行った結果、痛みが完全に消失し、開口時の制限もなくなった。さらに、陸上競技によるシンスプリントとの関連性を考慮し、脚部の緊張を緩和する施術も行い、顎の症状との関連性が解消された。
使用したツボ
まとめ
顎関節の痛みと開口制限に対して、肩上部や手足、仙骨、脛、肘のツボへの鍼が効果的であった。特に脛と肘のツボを追加した施術が症状の完全な改善に寄与した。また、陸上競技によるシンスプリントとの関連性を解消することで、顎の症状がさらに安定したことが確認された。本症例では、顎関節の痛みが全身の筋緊張と関連している可能性が示唆され、全身的なアプローチが有効であることが分かった。今後も顎関節症状に対しては、局所だけでなく全身の状態を考慮した施術を行うことが重要である。
担当スタッフ
洲崎 和広