治療について
当院の治療方針について
『痛い所だけではなく、全身を診る理由とは?』
と言うテーマで当院の治療方針を身体の動きを用いて解説しました。
例えば、肩が凝る。肩が痛い。とは一体どのようなことでしょうか?
関節が動いているのを知っていても、実はそれだけが全てではないこと知っていますか?
例えば、手を上へ上げる動作をやってみたいと思います。
手を上へ上げる動作の時に胸鎖関節を上から下に押してみましょう!
すると上げやすくなったのがわかりますか?
今度は動きを抑制してみたいと思います。
手を上へ上げる動作の時に胸鎖関節を下から上に押してみましょう!
すると上げづらくなったのがわかりますか?
ギュッギュッと胸鎖関節にブレーキがかかったような感じになり動きが止まってしまいます。
手を上げる動作をぼんやりと見ると肩関節だけが動いているように見えますが実は、この時には胸鎖関節、肩甲骨、胸椎などの組織が大小の歯車のように協力し合って動きを作っています。
例えば、肩を上げる動作を考えると…
〇関節:△関節:□関節:◇関節…=〇:△:〇:□:◇:…
のように1つ関節は微力ではあるかもしれないけど、それぞれがもつ力を発揮して見える動きをデザインしていると言えます。
この考えを基本にして、
お身体のトラブルが起きるときと言うのはどういう状態か?を考えていきます。
肩が痛い時と言うのは肩の動きが制限されていることが多いです。
症状として、肩の前の方が引っかかって上がらない。肩の後ろが引っ張られて上がらない。関節の奥が痛くて上がらない。などが考えられます。
“引っかかって”・“引っ張られて”・“痛くて”…などの要因は、ひっかかりのある動きの小さな関節が積み重った結果起きているのです。
腰痛と肩こりの関係を再現します!
例としては、『腰痛があり、肩こりで悩まされている人』を再現してみます。
腰の筋肉が硬いと身体は腰の筋肉がそれ以上伸ばされるのを嫌うので守ろうと楽な姿勢をとります=いわゆる“猫背”であります。この状態で肩上げ動作を行います。
※腰の筋肉を表現するためTシャツの遊びを無くしています=筋肉の柔軟性を低くしています。
すると手を上げづらくなり、腰部に突っ張ったような感じが出ます。
腰の筋肉に柔らかさが出てノーマルな状態になった身体であるとこうなります!
このように複数の症状をお持ちの方でも原因点を定めることで治療にあたっています。
全身に目を向けることで自身では気づくことの出来ない原因を探り、病気・症状に捉われない治療方針であります。お伝えしたいのは
病気を診ているのではないのです、あなたを診ているのです!
“朝起きたら肩が痛くて…”
と言うことはよくきく話ですが、痛みだけを診てしまうと急性症状であります。
しかしその背景には、仙腸関節がひっかかり、骨格のアンバランス、内臓の疲労
…と様々な事柄が相まって“痛み”が起きているということになります。
当院へ来られる方の中には、肩が痛ければ肩を揉んで欲しい・腰が痛ければ腰を揉んで欲しいと言う方がいらっしゃいます。
ですが、気持ち良いことと症状の根本改善は別問題であります。
揉むことで悪化することもあるということが非常に多いという事を知っていただきたいのです。そうでなければ、このマッサージ屋さんが多い世の中で、腰痛や肩こりで悩む人が激変してもいいはずです。
痛みを感じるからと言って必ずしもその部位に原因があるとは考えません。
東洋医学では“気”・“血”・“水”の三位一体で健康と呼んでいます。
どれかが足りなくても過剰にあっても全てバランスよく存在することが大切であります。
また、忘れてはならないのは、お互いが協調し合い働きあっていることです。
施術時には局所に捉われず全身観察を通して、どこで不具合が起きているのかと言う原因を見つけます。健康と言うノーマルから不調であるマイナスへどのように逸脱したのかを判断します。お身体のトラブルから元々あった自分へ導き出せるように努めさせていただきます。
その場しのぎではなく、ツライ症状から解放されることを目指しておりますので、どのようすれば改善できるかを一緒に向き合っていけたらと思います。
人間のもつ自然治癒力を高めること。
この治す力を最大限に引き出す事であります。
トラブルがあったとき身体が発するサインは何でしょうか?
痛み?局所の熱感?腫れ?など…それら全て意味あるものと考えています。
そのシグナルに対して耳を澄まして、理解し適切な治療を施せば自然と身体は良い方向へいきます。治すのは、患者さんであります。その力を活かし、回復しようとしている身体のエネルギーを高めていきます。
セラピストである以上、多くの方に寄り添ってきました!
患者さんが来て帰るまでの間、その人の人生で考えるとほんのわずかであります。一日と言う時間単位で考えても多くて1時間です。例え、施術して身体がノーマルな状態へベクトルを傾けても暴飲暴食したり、不摂生な生活をすると治療で出したい効果も薄れてしまいます。
だからこそ言えるのは、患者さんと一緒になって身体と向き合っていくこと大切であり、治癒力を高める最大の近道と思います。
実際はどのようなことをして施術するのか?
当院では、『自然治癒力』を高める医術にこだわりをもち“手当て”に注目してきました。
色々な手法は世の中にあるもののどれが自分に合っているかと悩んでしまう方も多いと思います。それくらい情報に溢れた社会になりました。
けど…
“良い物は必ず後世に残る”と思っています。
〇〇メソッド、〇〇式整体…と言うのは一時的なものに過ぎなかったと思います。
流行に流されず、皆様の健康と快適な生活を手助けしているものは
『鍼灸』・『手』でありました。
鍼灸(はりきゅう・しんきゅう)
鍼灸は中国古来に発祥し、人体を自然界と調和しながら生命活動を営む存在として捉えます。病状と患者さんの体質を注意深く観察して、自然界の現象に沿って『生命』として人体を総合的・全体的に診ることで身体の調和をとり、病に対して回復に向かう身体の形を作ることができます。1本の鍼とひとつまみのモグサで万病と向き合ってきた鍼灸術は伝統医療の中でも類例のない医術であります。
手に勝るものはない!!
鍼灸整骨院には、立派な検査機器もなければ、レントゲン撮影を行うことができません。“凝り”・“痛み”を始めとする身体の不調時には必ず緊張点(=ツボ)が現れます。この緊張点を探し出すために必要なのは、機械よりも“手”であります。
“痛いの痛いの飛んでけ!!”と小さい頃に痛い所を母親に撫でられた経験があります。
人の手から伝わる“ぬくもり”は手でなくてはならないのです。
痒い所に手が届く、そんな存在でありたい
これが当院の治療方針であります。