腸について
健康を第一に考えると腸機能を正常に整えることは欠かすことは出来ず、健やかに生きるためのパロメーターとなってきます。日本人の約14%は腸の不調を抱えており当院へ来られる方には
- 便秘ぎみで…
- 下痢が止まらなくて…
- お腹が張っていて…
など、主訴ではなくても不調時の関連症状として付随することが多くあります。腸は消化吸収と言った消化機能だけではより深い全身との繋がりがあることがわかっています。
腸とはどこを示すのか?
口腔から始まり、胃、肝臓、膵臓、胆のう、小腸、大腸、肛門までを示します。
外界と接する門戸
食物を食べる口、呼吸器の口を考えると細菌やウイルスも侵入する場でもあります。そのため、身体全体の免疫細胞の約6割が腸内存在します。腸内の神経細胞は約1億個もあり、腸自ら判断する『第二の脳』と言われるほどの機能をもっています。脳と腸の関係は、脳からの命令だけではなく腸からの脳へメッセージを発します。腸内の状態によって、その情報が脳へ伝えらえそこから身体のあらゆるところへ影響を及ぼします。
さらにそのネットワークによって腸内細菌が身体のあらゆる臓器に影響を与え、脳すらコントロールしている可能性も示唆されています。
外世界からやってくる様々なものを身体の中で最初に処理しなければならない場所のため全身との繋がりをもち、得たものを体内のあらゆる場所へ送り出す重要な働きがあります。
心、自律神経の問題も腸とリンクする
テストの前になると緊張して…
大事な試合前に下痢をして…
このような経験がある人も多いと思います。脳と腸は迷走神経を通じて腸と双方向で連絡を取り合う『脳腸相関』の関係にあります。前述した緊張時のお腹のトラブルの一例と言えます。うつの患者さんに便秘や下痢が多いこと、腸内細菌が生み出した有害物質が脳に達して認知症を招くこも報告されています。つまり腸内環境の悪化が脳に影響し、心の問題を引き起こすこともあります。
腸内の悪玉菌が増えることで様々ながんの原因になることもありますし、アレルギーや肌荒れ、肥満に至るまで“心と体の問題は腸と連動する”といっても過言ではありません。
幸せホルモンのセロトニンは9割が腸から
腸の調子が悪い方のほとんどが表情が暗く元気がありません。『脳腸相関』の関係であることからも心の健康と腸内環境は密接な繋がりがあります。人の情緒に関係するホルモンでセロトニンと言うホルモンがあります。このセロトニンの働きは、腸管運動を活発にしたり、自律神経バランスを整えて、心を前向きにする作用があります。また、興奮物質であるノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑える効果があるためイライラを起こしにくくなります。心の平穏には、このホルモンの分泌がポイントでありそれに影響するのが腸内バランスであります。このためセロトニンは幸福ホルモンと言う別名もあります。
腸のSOSを感じる!
- 下痢や便秘が続く【過敏性腸症候群】
- お腹が張りやすい
- お腹が痛いことが続く
- お腹がゴロゴロする
- 体重が急激に増減した
- 肌ツヤが低下している
- げっぷや胸やけが多い
- おならが増加した
- 便の形・性質が悪い
これらがよく聞く腸のトラブルであります。このため常に傾腸することが健康を保つ秘訣と言えます。
便秘と下痢
様々な病気の症状としてもちろんですが精神的なストレス・暴飲暴食・冷え・加齢・感染症などあらゆることが原因となり起こります。
便秘と下痢は大腸の蠕動運動、水分吸収、腸からの水分分泌と言う3つの働きが左右します。蠕動が活発であれば、便の滞在時間が短くなり水分吸収が不十分になります。そこに腸からの水分分泌が加わり、軟便や下痢の原因となります。逆に蠕動運動が鈍くなれば、水分吸収がすすみ、腸からの水分分泌が低下し、便秘を引き起こします。