日本人の3大国民病【肩凝り・腰痛・膝痛】
肩こり・腰痛・膝痛は鍼灸整骨院の患者さんで多くみる疾患であります。
この3つは、日本人3大国民病と呼ばれるものです。
ここではその概要とそこから見える私たちのフィールドを記しました。
医療機器の進化の陰で…
医療機器(レントゲンやMRI)は進歩をとげて10数年前までは見つかる事がなかったであろう“病気”が見つかるようになりました。医療機器は、発見・診断をつけるには重要なものであります。骨折などがみつかり安心できたケースもみてきました。
ただ、皆様が抱えている問題は
“慢性疾患”や“骨には異常が見られない疾患”であります。
また、椎間板等の軟部組織の異常が原因であったとしても、腰痛がない方の6割に腰椎椎間板ヘルニアが存在したり、逆に腰痛の人の8割は原因不明の非特異性腰痛と言われています。
だから、万能ではないとも言えます!
画像に映るものは真実でありながらも、“骨には異常ないですね”と言われた方々を見ていると自分の目で確かめる“視診”と自分の手で確かめる“触診”が重要なことに気づきました。診ると、健側より患部の方が膨張していたり・患部の方へ歪んでいたりします。触ると、腫れ感・陥凹・冷や汗など自律神経症状・コリ感・ハリ感などなど様々な表情を見せています。
この状態を的確に捉え、手による治療を可能にしたのが自分らの立ち位置であると思います。お悩みある1人1人に合わせて、オーダーメイドの治療を実現し、寄り添っていきたいと思います。
とりあえず治療
痛み止め・ブロック注射・湿布など“とりあえず治療”が多く知れ渡っています。
中には“とりあえず痛い所に鍼をします。”・ “とりあえず痛い所に電気をします。”と言うところもあるみたいです。
当院では、“どうして今の痛みになったのか?”を患者さんの日常生活や日々のクセ、労働環境、生活環境などから紐解いています。もちろん、患者さん自身が意識していないもの(クセ)は専門者としての見地もあり、それを伝えることで患者さん自身に自分の身体と向き合っていただけたらと思います。
根本的な解決を求めて来られる人にとりあえず治療はできません。
その場しのぎになると苦しむのは患者さんであります。
とりあえず治療は施術する側の一方的な考えを押し付けている感じも否めません。
そのような事柄も踏まえて、説明と同意、共有や共感を重要視しオーダーメイドの治療を実現しています。
安静は必要か?
インフルエンザを患った場合など極論は避けますが“今日は安静にしてください。”と言うフレーズはよく耳にします。ただ、安静は人それぞれ。
この言葉だけを真に受けてしまうと
「家事など家の事はやらない方が良いんだ。」とずっと布団の中にいるかもしれません。すると昼間動いていないので疲労感がなくて夜は寝れなくなります。夜は体内時計により副交感神経が優位になります。すると痛みが感じやすくなり、より痛むことも考えられるのです。治そうと思ってとった行動が返って悪化させてしまうケースもあるのです。
痛いときは動きたくありません。痛くないときは動けます。
これを踏まえ、動ける体つくりを当院では実践しています。
正しい姿勢が全てか?
不良姿勢は、身体のあらゆる箇所のストレスとなり症状として発しやすい。その典型例が肩こり・腰痛にならないためには綺麗な姿勢でいようと言う教育と思います。もちろん、間違っていませんが考えてほしいのは、綺麗で正しい姿勢が全てか?と言うことです。
バレーリーナ・ダンサー方などが当院へ来られているように実は、綺麗で正しい姿勢で彼らでさえも肩こり・腰痛を訴えます。良く身体を観察をするとコリや痛みを招く原因は姿勢以外にもあるからであります。理想的な姿勢をもつ彼らは動きます。動きをみているとある部分にストレスをかけていたり動きづらさが自覚できないコリを招いていることもあります。
動きのクセが原因になりやすい
姿勢は静止時のもの、私たちは生き物であり動きの中でクセがあると肩こり・腰痛になりやすいと言えます。間違った動きのパターンを説明していきます。
上肢には肩甲上腕リズムと言う運動パターンがあり、腕と肩甲骨には決められた割合で動くように設計されているものです。何かの影響で肩甲骨の動きが悪くなっていると、腕の負担が増えて肩の痛みとなって発する要因となりえます。
下肢には腰椎骨盤リズムと言う運動パターンがあり、上肢と同じように腰椎・骨盤・股関節が協力し合って動くように設計されているものです。この場合、座っている時間が長いと股関節の動きが悪くなり、腰椎・骨盤にストレスが集中し腰痛の要因になりえます。
肩こり・腰痛、両方抱えている人がいます
はい、その通りであります。この場合様々なパターンがあるので全てのパターンをここ記すことはできません。ただ、考えてほしいのは股関節の動きの悪さが腰痛にもなります、肩こりの原因となります。股関節の柔軟性・安定性があるとその分上肢は安心して動かすことができます。しかし、土台である股関節にトラブルがあると上肢の動きに安定性が欠けて可動域いっぱいには動かすことが出来ず、関節が詰まったり筋肉が引っ張られるようなことがあります。
さらに考えれば、肩と腰の間にある胸椎の硬さも原因になりえます。上肢の動き、下肢で言えば仙腸関節と密接な連動があります。頸胸椎移行部が硬いと上を向くことが辛い、胸腰椎移行部が硬いと背中を反ることが出来ないなどと言った症状が出ます。