その他(耳・不定愁訴)
症例12 右手が動かせない程の肋間神経痛
来院者
90代 女性
来院日
2020年 8月
終了 2020年10月 計19回
症状と来院理由
4月頃に帯状疱疹が発症し、投薬を続けていると1か月程で発疹は治まった。同時に今度は肋間神経痛が発症した。ジクジクとした持続的な痛みが胸部・右の脇腹にあり、脇を開くことが出来ない。右手が不自由になり、左手が生活を担っている。服が擦れるだけでも刺さるような痛みがある。
乳頭を中心に痛みがあり、特に第3肋骨~第5肋骨が中心である。その他にも同一ラインの脇腹に痛み・左の股関節屈曲制限がみられた。
当院へ来られるい間、別の皮膚科→別の鍼灸院と言う流れであるため施術開始時期が遅れた。
施術とその後の経過
神経の賦活化を目的に背中の緊張を解くように施術を行った。
背中のツボに鍼をしていくと痛みが半分程度になるが長続きしないと言う状態が1~4回目。3回目からは、脇腹の施術も加えた。
5回目には持続的な痛みが消失したため、自宅で患部にお灸をしてもらう。
(施術効果を高めるために1日1回のお灸時間を作ってもらった)
6回目の終了時には外出意欲も出てきて、美容院へ久しぶりに行きパーマをかけたと報告を受けた。7回目からは足の火照りが出てきたため、上半身にうっ滞した熱を下半身へ誘導するよう施術にアクセントを加えた。13回目には、右手で箸・スプーンをもち食事をすることを出来ていることを確認した。この頃には、触らなければ痛くない状態になる。
14回目には、右の手上げも出来るようになる。19回目には生活上の困り事もなくなったため、終えることにした。
効果のあったツボ・整体
T3(1)R、T4(1)R、T5(1)R、T5(2)R、外関R、地天R
考察と想い
時間のかかった症例ではありましたが変化を共有することで前進することができました。神経の根元である、棘突起周辺には確かな緊張がありこれを解していくと痛みも消失していきました。
症例11 身体が重だるく身体が歪んでいるよう
来院者
10代 女性 大学生
来院日
平成31年 3月
症状と来院理由
身体が重だるく疲れがとれない。また、骨盤が歪んでしまい何か気になるとこと。肩凝りと腰痛がある。
春休み中でたまたま札幌から室蘭へ帰省しており、患者さんのお母様も当院へ通院されたことがあることから連絡をいただいた。
施術とその後の経過
股関節と首の動きに制限が見られた。この動きづらさが血液を滞らせて、睡眠時間を確保しても疲れをとりづらくしている要因と考えた。
まずは、仙骨の捻じれをとるために脚のツボへ鍼をした。すると肩甲骨内縁に
あったコリが解消され、捻じる動きも左右差が無くなった。次に頸の動きに関わるツボに鍼をした。すると制限がなくなり、背部にあったコリも解消された。
最後に整体をして仕上げると本人からも『身体が軽い。良い感じです』と言う声が聞かれた。
効果のあったツボ・整体
光明R、巨骨L
腹斜筋の導引・大腰筋の導引
考察と想い
『骨盤が原因かも…』と言う声はよく聞きますが動きで置き換えることで患者さんと共有が図れます。矯正は必要なく、全身の調整を図ることで動きやすさを取り戻した症例であります。
症例10 生理前に起こる肩凝り・足の冷え
来院者
40代 女性 会社員
来院日
平成31年 2月
症状と来院理由
生理の1週間前になると肩凝り・目の奥の痛み・身体の倦怠感・足の冷えがあり悩んでいた。ここ1年で身体が大きく変化していることもあり不調続きのため連絡をいただいた。
施術とその後の経過
顔が赤く、足の冷えを確認出来た。熱の滞りを確認するため全身を触診すると腰部に冷えを感じた。また、頚部には強い凝りがあった。
そのため、腰部の血流を促すために足の2つのツボを使った。また、頚部の緊張緩和を目的に手のツボを使った。
施術を終えると肩にあった凝り感が抜け、顔面の赤さもとれていた。足の冷えも改善されていることから、最後に股関節の動きを調整し施術を終えた。
10日に1回、同様の施術を行っていると身体の調子が良く以前にあった症状や生理前にイライラすることはなくなったとのこと。4月からは美容鍼灸に移行し経過をみている。
効果のあったツボ・整体
項強RL、三陰交R、元瑠R、築賓R
考察と想い
年齢をみるとホルモンの影響を疑いたくなるケースだが施術では身体の過緊張を診る。本症例においては、頚部と腰部の過緊張が骨盤内蔵器に緊張を起こし身体の不調を起こしていた。そこで身体の過緊張を取り除くことで大きく改善されたものと思われます。
症例9 疲れてくると脛が張ってくる
来院者
40代 女性 会社員
来院日
平成31年 3月
症状と来院理由
年が明けてから仕事量が多くなり、帰りも遅いことから不規則な生活を続けていた。
3月に入ると異動が決まり、引き継ぎ業務も加わると、食欲も落ちて気力がなくなった。
眠りが浅いことに加え、肩凝りを感じる事から仕事にも支障をきたしていた。
夕方になると足がむくみ、脛の張り感を感じ歩くことでさえ億劫になっていた。
そこで通院歴のある当院へ連絡をいただいた。
施術とその後の経過
触診すると患側の右の脛の筋が張っていた。足を高く挙げようとしても重く感じる。お腹をみると肋骨の可動性が失われ呼吸が浅くなっていることが分かった。それに伴い、胃腸の動きも悪くなり、機能が低下していたと思われる。すべては土台である下半身が過緊張を起こし上半身の症状を招いていると考えた。
上半身と下半身の境目である仙腸関節には圧痛が見られ特に胃腸機能と関連する部位は著明であった。また、呼吸との関連で臀部にも緊張を見つけた。これらの緊張点に鍼をした。また、膝の内側にある肋骨の緊張部と関わりのある部位に鍼をすると患者さんは寝てしまうほどであった。
2回目、『食欲が出てきた』とのこと。同様の施術方針で行った。
3回目、『調子が良く、同じ仕事量でもあまり疲れを感じない』とのこと。
症状の安定化を目的に整体を加え、施術を終えた。
効果のあったツボ・整体
胞膏R、上秩辺R、秩辺R、曲泉R
肩甲骨回し・肩甲骨返し・クラゲ
考察と想い
下半身の過緊張が胃腸の緊張を招き、だるさや張り感といった身体のトラブルを招いていた症例。動きでは痛みが主になるが痛み以外でも身体の緊張を解くことで改善できるケースも多々ある。また、身体の連動を整えることで各器官が賦活しパフォーマンスを高めることも可能である。
症例8 朝起きた時に口が開きづらい
来院者
50代 女性 主婦
来院日
平成31年 3月
症状と来院理由
朝、起きた時に顎がズキズキと痛み開口しづらかった。特に右の顎関節が痛み思うように動かすことも出来なかった。周辺地域で顎関節を治療出来る所を検索すると当院のホームページに行き着いたため連絡をいだいた。
施術とその後の経過
顎関節の痛みは肩甲骨と関連するめ緊張を診ていくと上角に凝りがあった。また、咬む筋肉にも緊張がみられたため、手の甲にあるツボに鍼をした。
すると開口しやい状態になった。最後に顎関節の詰まり感を手のツボで取ると痛くなく開口することが可能になった。
2回目からは美容鍼灸へ移行している。顎関節は良好の状態となった。
効果のあったツボ・整体
肩陵R、外谷R、養老R
考察と想い
痛み・開口障害であっても身体の緊張を解ければ機能は元通りになる症例。問診のときに肩凝りを抱えていることから考えることができました。この緊張が顎関節へ影響を及ぼしていたと思われます。
症例7 いつも以上歩き痛くなった脛
来院者
60代 女性 主婦
来院日
平成30年 12月
症状と来院理由
来院する3日前に札幌へ行き普段より歩き過ぎた。最初は両側ふくらはぎの重みを感じ次第に左脛の方までパンパンに張ってくるような感じがしてきた。脛の方に痛みを感じてくると歩行動作全て痛くなり、動くことが億劫になった。休めば治ると思い湿布や自己流のマッサージをしたが改善できなかった。移動が困難になってきており、早期に復帰したいと思いインターネットで調べたところ当院に行きついた。
施術とその後の経過
いつも以上の負荷が歩行動作に関わる筋肉である前脛骨筋に負担をかけ、身体が歪んでしまい治癒力を阻害していたと考えた。動きで見ると足関節の背屈制限がみられた。
身体を診ていくと臀部の緊張・胸椎部の緊張が顕著であった。そのツボに鍼をし、整体をすることで身体の連動を高めた。
2回目~5回目まで週2回行うと歩行時の痛みが取れ、6回目には日常生活に問題は無くなった。そこから施術期間を10日に1回、2週間に1回と行い痛み無く生活でき、スポーツジムへの入会を決めた話を聞き施術を終了とした。
効果のあったツボ・整体
秩辺RL、胞膏L、T12(1.5)L、漏谷L、
梨状筋の導引
腓腹筋の導引
考察と想い
脛に痛みがあり、自己流で治らなかったのには訳がある。それは脛の筋肉には問題がないということだ。連動するポイントに鍼をし筋肉の緊張を抑えることで、痛みを感じる部位への負担が減り抱えていた悩みも解消された。
症例6 身体の重だるさと表現しづらい痛み
来院者
40代 男性 塗装業
来院日
平成30年 11月
症状と来院理由
職業柄、仕事時間・仕事場所が不規則であり最近は休みになっても疲れが取れない。
背中を中心に重い感じが圧し掛かる。これが数週間前から続き不眠傾向に陥った。
寝れないと回復力も落ち、仕事の集中力も途切れる。
同僚の紹介で当院にこられた。
施術とその後の経過
背中には特有の圧痛が見られ、身体を丸めているのが楽なようだった。次に動きで評価すると伸展動作が全て困難であった。首の伸展・胸椎の伸展・腰椎の伸展のことである。
そのため、圧痛と動きの改善を目標に施術を行った。
肩甲骨の外縁にあるツボと腕にあるツボに鍼をすると背中の痛みは消失した。
次に手足にあるツボに鍼をすると動きも改善された。最後に背中と腰部のに対応する臀部のツボで仕上げた。
施術中はいびきをかいて寝てしまうほどだった。冷えていた足も温まり大幅な変化が見られたため一回目の施術を終了とした。
二回目、「睡眠も気にならず肩凝りが残っている程度」と言っていた。みると首の上向き動作がやや困難であった。そこで前回と同様の施術をし施術が終了となった。
効果のあったツボ・整体
ふくら③L、三陽絡L、六谿L、豊隆L、胞コウL
考察と想い
不眠になると脳も休めなくなり痛みを感じやすくなってしまいます。
鍼灸をして動きを改善させることで内臓も働きやすくなり良いコンディションを作ってくれます。
下半身の硬さが上半身に波及していた症例。肩甲骨の可動性を取り戻したことで睡眠時も平穏に出来たと思われる。
症例5 左耳の閉塞感と肩凝り
来院者
40代 女性 営業職
来院日
平成30年 10月
症状と来院理由
職業柄、長距離運転がつきものでお尻の痛みや肩のだるさは以前からあった。
最近は仕事が忙しくストレスのかかる場面も多くなった。生活も不規則になりつつある。
数日前にソファーで横になって寝てしまい翌朝起きると左耳に閉塞感を感じる。
左耳から肩にかけて“ピーン”と筋張ったような筋肉の拘縮があった。
本人も運転のバッグ動作を行うとやりづらいのは自覚していた。
仕事ではなんとか誤魔化してきたが心配になり通院歴のある当院へ連絡をいただいた。
施術とその後の経過
耳から肩にかけて対応するふくらはぎのツボに鍼をした。また、左肩の水平挙上が困難だったため足のツボに鍼をした。
すると肩が動きやすくなり本人からも「耳からビュンビュン音が入ってきます」と言っていました。大きな変化が見られたため1回目の施術は終了しました。
二診目(10日後)
「耳の状態は良い。肩が凝っている感じがする」と言う事だった。
生理痛もあり、腹痛があったので併せて施術を行い終えた。
効果のあったツボ・整体
飛揚L、玉陽R
三陰交RL・足五里L
考察と想い
症状が出てすぐだったため病が深刻化せずにすんだ症例。
筋肉の緊張をとることが出来るとすぐに効果を体感出来た。
症例4 薬を飲んでも改善しなかった便秘
来院者
70代女性
来院日
平成30年9月
症状と来院理由
半年以上前から便秘で悩み、薬や運動療法、乳製品の摂取など出来ることはやってみたもののなかなか改善されなかった。娘さんが当院を受診しており母親の話を聞き、紹介を受けた。
慢性的な腰痛に加え、最近は左の肩が痛い。
施術とその後の経過
腹診すると下腹部に緊張を見つけた。慢性的な腰痛もあることから腹部の緊張が大きな要因となっていることがわかる。
対応する脛のツボに鍼をした。置鍼中「グ~」と言う腹鳴を確認できた。
腰の動きをみるとそらせるときに痛みが残っている。対応する足のツボに鍼をし、施術を終えた。
二診目~三診目(7日間隔)
「冷えていた足も温かく感じるようになってきた。排便もある。」
お腹の緊張が緩和されると肩の痛みに繋がる。
良いコンディションを保つ目的で2週間~3週間に1回の通院が続いています。
効果のあったツボ・整体
上巨虚L、玉人L
肩甲骨返し
考察と想い
一人暮らしで多くの病を抱えているため、外出することさえも億劫になっていました。鍼をすることで自らすすんで行動するようになったそうです。
傷みがあると動けなくなるため、動けるように考えていくと痛くはなくなります。
症例3 便秘・腰の痛み
来院者
40代男性 会社員
来院日
平成30年10月
症状と来院理由
北海道地震から仕事が急に増えて残業も続いている。そのためこの一か月は、お腹を下したり便秘になったりを繰り返していた。最近は、食生活に意識を向けたせいか下すことはないが便秘症状が良くならない。便秘に鍼灸が効くと言う【当院のブログ】をみてこられた。
施術とその後の経過
腹診すると下腹部に大きな緊張があった。慢性的な腰痛もあることから腹部の緊張が大きな要因となっていることがわかる。
対応する脛のツボに鍼をした。置鍼中「グ~」腹鳴を数回確認できた。腰の緊張も同時に取れて動きやすいと言っていたので施術を終えた。
二診目~四診目(7日後)
「施術後すごく調子が良くて排便がある」
「こんなに身体が楽のは久しぶりだ」と喜びの声をいただいた。
施術内容はあまり変わらないがそのときに現れていた「足のだるさ」「肩こり」…など柔軟に対応しています。
仕事に全力で迎える身体つくりにベクトルを変え、10日に1回の施術が続いている。
効果のあったツボ
上巨虚L、条口L、腸鳴L、
考察と想い
便秘の原因は腹部の緊張であった。この緊張を解くと大腸が動きやすくなり便秘も大きく改善されたものと思います。鍼だから出来るお手伝いももっとあるはず。そう感じた症例でした。
症例2 開口時にガクッガクッとなる顎関節 最大開口出来ない
来院者
30代男性 会社員
来院日
平成30年9月
症状と来院理由
20代の頃から顎の痛み・だるさ、動作時のガクッガクッとした関節音、大きく口を開けることが出来ないのが当たり前になっていた。
あるとき「鍼灸は顎関節症に有効です」と言う、私の会話を耳にし相談された。
施術とその後の経過
顎との関係性をみていくと背骨の緊張が著名でした。また、咬筋にも強い緊張が見えた。そのため背中のツボと手のツボに鍼をした。置鍼し、動きをみると関節音は残っているもの「いつもと何かが違う」と言っていた。
2診目、耳の後ろと頸部に強い緊張が見られた。関連するツボに施術を加えると最初にあった症状が消失したため施術を終了とした。
効果のあったツボ
T3(1)L、外谷L、養老L、合谷L
考察と想い
「病院へ行けばストレスで片付けられてしまうんだよね」と言う患者さんの言葉が印象的だった。当院の施術では、ストレスによりどこに負担がかかり緊張を生んでいくかを見ていきます。ストレスはきっかけに過ぎないと感じた症例でした。
症例1 歯の治療後の顎がピリピリする
来院者
40代女性 主婦
来院日
平成29年9月
症状と来院理由
私が『動作を診たいので噛んでください!』と言うと
患者『噛むのも嫌です。』と返答がありました。
施術とその後の経過
顎の違和感あり~前腕の遠位端にあるツボ(養老)
咬む筋肉に関連のあるツボ~手の水かき部分にあるツボ(外谷)
上記2穴に加えて、炎症を抑える首のツボ(後ケイ)を使いました。
鍼をして、そのままにしておきます。
段々と下顎にあったピリピリとする不快感が和らいできたと患者さんが言っています。
10分後
『どうですか?』と私が聞くと、10→4くらいかなぁと言っていました。
そのまま終わりでもよかったのですが
“ずっと同じ姿勢でいることで緊張感を増すことも一因”と推測し、もう一度背部を診ます。
T5(2)に硬いものを触れます。
これに対応する足のツボに鍼をすると4→2になったのでここで1回目の治療を終了です。
2週間後、来院時に顎のピリピリ感について聞くと全く気にならなくなったと言っていました。
考察と想い
痛みの治療以外でも鍼の効果を体感してもらえたケース。
鍼灸の有効性は痛みだけではありません。痺れや違和感と言った“正常とは少し違う状態”をノーマルな状態へ近づけてくれます。また、今回のように顎の違和感を手先のツボを使うことで患部に触れることなく改善へと繋げていくことができます。